質問主意書

第74回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六号

決算検査報告に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十九年十二月十九日

峯山 昭範   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   決算検査報告に関する質問主意書

一、会計検査院は、国の収入支出の決算を検査し、これを確認したことを検査報告に掲記することになつているが、近年、その掲記の方法について変化が認められる。
 このうち、一般会計の決算の確認については、昭和四十三年度の検査報告以後、掲記の方法が改訂されたことが明らかにされている。昭和四十二年度以前、決算の確認の記述は、歳入歳出決算額を表示したあとで「上記決算額は、未確認額を除いてこれを検査確認した」という形式で行われていた。その際、防衛庁関係の前金払、概算払の購入物件、未納入の経費などが未確認額とされ、その明細が既往年度の残額についても掲記されていた。それが改訂によつて、「会計検査院は、下記の決算額を確認した」として、続けて歳入歳出決算を表示する形式になり、未確認額は全く掲記されなくなつたのである。
 しかし、前記の防衛庁関係の未納入の期間は数ヵ年度に及ぶ事例もあり、かつての未確認額の実態は現在なお存在するものと認められる。

二、一般会計の決算の確認の掲記の方法の改訂の理由は薄弱であると認められる。
 会計検査院は、その改訂に関する国会答弁で、決算の確認、未確認について法律上および運用上の観点から検討を加えた結果、前金払、概算払の支払段階の検査によつてこれを確認することができ、物件の未納入の場合特にこれを未確認額として表示しなくても今後の検査に支障を来さないことなどを改訂の理由としている。
 しかし、この改訂以後にも、国会における国の決算等の審議の際に、改訂以前の未確認額の資料を度々必要としているのであつて、未確認額を検査報告に従来のように掲記しておくことが財務処理が明確となり、国民の要望に応えるものと思料される。

三、単年度予算の原則のもとでは、多年度にわたる前金払、概算払の物件未納入などかつて未確認額として検査報告に掲記していたものについては、物件未納入などの実態が存在する限り、以前の慣例を尊重して、検査報告に未確認額の内訳を記述し、その検査の推移を明らかにすべきものと考えられる。
 よつて、前金払、概算払が物件未納入で精算未了の状態が多年度にわたつて継続しているものなど、従前、検査報告に未確認額として慣例的に掲記されていたものの検査報告への掲記を義務づける内容の法律改正について政府の考え方を承りたい。

(一) このような法律改正の必要を認めるか否か
(二) その必要を認める場合、検査報告への掲記の方法は、従前の未確認額の掲記の方法をそのまま採用するのか、あるいは、他の適当な新様式を採用するのか。
(三) その必要を認めない場合、その理由は何故か。

 なお、防衛庁関係の前金払、概算払をしたもので、未納入となつているものの昭和四十八年九月三十日現在における予算科目別、購入物件、金額の明細、そのうちアメリカ合衆国政府の軍事有償援助にかかるものは特記し、これを明らかにされたい。