質問主意書

第72回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質七二第三号

  昭和四十八年十二月十八日

内閣総理大臣 田中 角榮   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員小平芳平君提出国民年金における老齢年金及び障害年金の改善措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小平芳平君提出国民年金における老齢年金及び障害年金の改善措置に関する質問に対する答弁書

一、御質問のような事例は、女子被保険者について極めて例外的に生じ得るものであるが、このような事例を含めて、現在の公的年金制度において現実に年金制度に結びつかない者の取扱いについては、脱退手当金制度のあり方、公的年金制度全体にわたる通算措置等の問題として、今後とも検討してまいりたい。

二、(1) 厚生年金の被保険者期間中に傷病にかかつた後、退職し、厚生年金の障害年金が支給される前に脱退手当金を受給したため障害年金の支給を受けることができなくなる事例については、厚生年金から障害年金の支給を受ける途が開かれていたにもかかわらず、脱退手当金の支給を受けたのであるから、これに対し更に障害年金を支給することは、年金制度上考えられないものである。
  (2) 御質問のような事例については、障害福祉年金の支給を受ける途も開かれているが、二以上の公的年金制度を移り変わつた者の障害年金の受給資格については、障害年金の資格期間の通算等の問題につき、今後の課題として検討してまいりたい。
 なお、障害が発生した後における保険料納付済期間を基礎として障害年金を支給する仕組みを採ることは、年金制度の体系からみて採り得ないものであると考える。