質問主意書

第71回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二三号

内閣参質七一第二三号
  昭和四十八年十月二日

内閣総理大臣臨時代理                
国務大臣 三木 武夫      


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員鈴木強君提出日本住血吸虫病予防のための溝渠設置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員鈴木強君提出日本住血吸虫病予防のための溝渠設置に関する質問に対する答弁書

一、について

 昭和四十年度において、寄生虫病予防法を一部改正し、日本住血吸虫病の予防のため、当該病原虫の中間宿主たる巻貝のせい息地帯における溝渠コンクリート造の基本計画を決定し、九三九、八八三メートルを七か年で整備することとしたが、その後、昭和四十三年度において、有病地域(せい息地帯)の拡大等により基本計画を変更して一、二三一、九〇四メートルとし、計画年限については、昭和四十七年の寄生虫病予防法の一部改正により、昭和四十八年度までとした。
 右計画については、一部宅地造成等により、コンクリート化が不必要となつたため、一九、六三九メートルを基本計画から削除し、一、二一二、二六五メートルを昭和四十八年度末までに整備完了する予定である。

二、について

1 日本住血吸虫病の実態調査は、昭和四十八年五月から七月までの間、千葉、山梨、岡山、広島、福岡及び佐賀の各県について実施したが、その結果は次のとおりである。
(1) 宮入貝のせい息状況については、有病地域の三十七市町村において一四、〇六五地点を調査したところ、六、七一〇地点においては宮入貝がせい息しておらず、せい息していたのは七、三五五地点でありそのせい息場所は、未コンクリート溝渠内、水田及び河川敷等であつた。
(2) 住民検診については、一八、九二三人を対象として、まず皮内反応検査を行い、その陽性者に対し、COP検査(血清反応)、糞便検査を実施したところ、保卵者数は一二四人であつた。
 この結果、保卵率は〇・七%であり、関係県が昭和四十三年に調査した結果の保卵率一・三%を下回つている。
2 右実態調査の結果、保卵者が発見されたこと及び宮入貝がせい息していることが判明したことにより、今後も、地域によつては、日本住血吸虫病の撲滅対策の必要性が認められるが、昭和四十九年度以降の基本計画の策定については、日本住血吸虫病実態調査委員会の評価の結果を待つて検討してまいりたい。