質問主意書

第71回国会(特別会)

質問主意書


質問第二一号

沖縄における土地改良事業等の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十八年八月二十七日

喜屋武 眞榮      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   沖縄における土地改良事業等の推進に関する質問主意書

 沖縄の農業は、二十数年にわたる軍事優先の米軍統治、琉球政府(当時)の財政的貧困などの理由から、夫だに零細経営を脱しきれないでおり、政府の援助を受けて土地改良事業、機械化をすすめ、早急に近代化を確立しなければならない。
 このことを前提に次の点を質したい。

一、基幹農道採択基準の引き下げについて

1 沖縄における現行の基幹農道事業の採択基準は、面積三〇〇ヘクタール、長さ五、〇〇〇メートル、幅員四メートル以上となつているが、この基準はどのような取り決めで定められているのか。また、事業の内容等によつては採択基準を引き下げることができるかどうか。
2 農業の近代化を進めるにあたつて農道整備は必須条件である。ところで沖縄の場合、(1)地理的に起伏が多い(2)大小四十六の離島群である(3)農家一戸当たりの保有面積が極度に小さい(約七反)、などの状況のため基幹農道の整備を行いたくても基準面積に満たない例が多い。
 そこで、基準面積を五〇ヘクタールに引き下げ、多くの農家、自治体が思いきつて事業を推進できるようにすべきである。政府の所見を伺いたい。

二、ほ場整備事業施工期間中の休耕補償について

1 現在、ほ場整備及び土地改良事業の施工期間中の休耕補償が行われている事例のあることを聞くが、どうなつているか。その作物及び補償の内容等を明らかにされたい。
2 甘蔗、パインは本土の米作に相当する沖縄の基幹作物であるが、近年、農業人口の急減のため省力化、機械化の推進、国際競争力の強化に迫られ早急にほ場整備事業を確立しなければならない。
 ところが、この整備事業の期間中は休耕状態におかれ、これらの作物に依存している農家の収入は皆無となるので、なかなか事業推進がはかどらない。
 そこで、甘蔗、パインなどの基幹作物については実情に応じて休耕補償を行い、ほ場整備事業をはかるべきと考えるが、どうか。

  右質問する。