質問主意書

第70回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

当面の沖繩における諸問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十七年十一月十一日

喜屋武 眞榮      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   当面の沖繩における諸問題に関する質問主意書

一、農協給油所の設置について

 復帰以前の沖繩県においては石油取扱いが統制下にあり、系統農協としては、給油所の設置が不可能な状態であつた。
 復帰後は当然本土なみの石油取扱いが認められるべきであるが、未だにそれがなされていないので、日常生活の上で農協に依存度の高い沖繩の組合農家は毎日の生活と交通の便に多大な支障をきたしている。
 よつて、早急に農協給油所の設置を認めるべきだと思うがどうか。

二、さとうきび及び砂糖の価格について

 悪化しているさとうきび作の農家経営を保護するために、今年度のさとうきびの価格については、農業パリティ指数を基調とし、物価その他の経済事情を十分に参酌し、他産業との所得格差是正を図ることを旨として、生産費及び所得補償方式を加味した価格を設定すべきだと思うがどうか。
 また、砂糖の価格については、一律に鹿児島・沖繩両県を一本化することなく諸条件の相違を考慮したグループに区分し、それぞれの買入れ価格を設定すべきだと思うがどうか。

三、首里城跡の戦災文化財の復元整備について

 日本文化のなかでも貴重な沖繩の諸文化財の保護は大事なことである。
 政府が首里城の歓会門の復元のため援助を行なつていることは県民からも喜ばれている。しかし、歓会門と石垣で連結されている久慶門と首里城正殿の復元については未だに予算措置がなされていない。
 これらの復元なくしては歓会門の復元価値も半減するほど首里城跡復元計画の重要な部分になつている。
 政府は、早急に久慶門と首里城正殿の復元のための予算措置を講ずるべきと思うがどうか。

四、国庫補助金交付について

 沖繩戦において被害を受けた県民の生命、身体、財産及びその他の諸権利に対し、国の補償を求めるために昭和四十六年に沖繩戦被災者補償期成連盟が設立され、現在該当者からの申請書を提出させるなど調査をすすめている。しかしながら当連盟の運営資金が乏しいため、右目的の推進に支障をきたしている現状である。
 政府は、沖繩戦で多大な犠牲となつた四十万該当者のため、政治的かつ道義的立場からも当連盟への運営資金の補助を行なうべきと思うがどうか。

五、対馬丸事件遭難者の処遇について

 沖繩戦の最中、国の方針により県内の学童を本土に疎開させる途中、攻撃を受けて遭難した対馬丸の事件がある。この事件で死亡した学童及び引率教師、付添者に対しては、当時の事情を考慮し、準軍属として処遇されるべきものと思うが、政府の考えはどうか。

  右質問する。