質問主意書

第69回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

当面する緊急課題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和四十七年七月十二日

向井 長年      


       参議院議長 河野 謙三 殿



   当面する緊急課題に関する質問主意書

一、外交問題について

(1)日中の国交回復を実現する上で、いわゆる復交三原則を認めることが不可欠であると考えるが政府はこの原則を認めるか。もし認められないとすれば、他にいかなる案があるのか明示せよ。同時に、今後の政府の国交回復のスケジュールを示せ。
(2)B52の沖縄大量飛来は極めて遺憾である。政府は今後ともこのような飛来を認める方針か否か。また安保条約の事前協議制は空洞化しつつあるが、その対象基準を米国側と再検討する意思ありやなしや。あるとすれば、その具体的スケジュールを明示せよ。

二、経済問題について

(1)政府は早急に国民福祉向上を図る具体的対策とそのタイムスケジュールを国民の前に明らかにすべきであると思うがどうか。
(2)現在進行中の長期経済計画策定に対し、従来のマクロ的指標だけでなく個別の国民福祉水準指標等をおり込んだ経済計画にすべきであると思うがどうか。

三、税制問題について

(1)臨時国会では当然大幅な所得税減税をやるべきだと思うが、政府はどのような構想をもつているか。
(2)また、所得税減税だけではなく、この際大衆課税といわれてきた入場税、物品税などについても抜本的な改革を図り、大衆の税負担を軽減すべきと思うがどうか。
(3)これら減税の財源対策として付加価値税の導入が政府においても考えられているようであるが、付加価値税は逆進的性格をもつと同時に、物価値上げに一そう拍車をかける悪税であることにかんがみ、いかなる状態の下にも導入すべきでないと思うがどうか。

四、福祉対策について

(1)政府は、景気対策の上からも公共投資拡大を図ろうとしているが、土地問題について土地は基本的に公共のものであるという観点から抜本的な土地制度の改革を図るべきと思うがどうか。
(2)福祉国家の柱となるべき社会保障対策について、まず緊急の課題である健保について、いかなる構想をもつているか。
(3)また、年金の充実は老人政策の柱であるが、現在の積立方式を賦課方式に改めるなど年金給付額の大幅な引き上げを図るべきであるがどうか。

五、円問題について

(1)今年度に入つて輸出減少、輸入増大という傾向が続いているが、依然として貿易収支は黒字となつている。この際、残存輸入品目の撤廃など思い切つた輸入促進対策を講ずべきであると思うがどうか。
(2)特に主要な消費財の安定した輸入促進を行なうため「主要物資輸入公団」を設立すべきであるが、政府の意向を伺いたい。
(3)輸出が一カ国に片寄つたりしないように輸出調整税を早急に新設すべきであると思うがどうか。
(4)基本的には輸出優先型の産業構造を改善することが必要であり、また自由化にたえられうる農業、中小企業の育成が急務である。政府は産業構造転換促進対策を示すべきであると思うがどうか。

  右質問する。