質問主意書

第68回国会(常会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質六八第五号
  昭和四十七年六月十六日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員足鹿覺君提出天然牛乳供給確保等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員足鹿覺君提出天然牛乳供給確保等に関する質問に対する答弁書

 ご質問の事項については、衛生的で良質な牛乳を確保することを主旨とし、あわせて牛乳の需給の状況及び価格の問題等を考慮しつつ、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正その他必要な措置について検討しているところであるが、その基本的な方向としては次のように考えている。

一 およそ国民が飲用に供する牛乳は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令にいう「牛乳」はもちろん、「加工乳」についてもなるべく生乳の本質をそこなうことなく、衛生的に殺菌処理したものであることが望ましいと考えている。

二 生乳の需給バランス及び供給体制の現状にかんがみ、「加工乳」はなお必要であると考えている。この場合、「加工乳」の原料を生乳及び生乳を濃縮したもの(濃縮乳)に限ることの是非については、慎重に検討を要するものと考えている。

三 「加工乳」については、前記一の見地から、なるべく生乳を多く使用することが望ましく、また、微量栄養素の添加は、現在では栄養補給上も必要がないと考えている。なお、粉乳、バター等の乳製品を使用することについては、生乳の需給バランスの現状等にかんがみ、今直ちに禁止することは困難であると考えるが、できるだけ前記一の趣旨にそうよう措置してまいりたい。

四 「濃縮乳」の規格の設定等については、「無糖れん乳」との用途上の差異等を考慮しつつ検討いたしたい。

五 「濃縮乳」は、今後、主要酪農品の一つとなるものと考えられ、当面は、これに対する輸入制限措置はなお必要であると考えている。

六 乳業者等に対する監督については、食品衛生法第十七条を積極的に運用することにより、報告の徴収や立入検査の強化を図ることといたしたい。
 なお、検査の結果については、消費者保護の見地から、国又は都道府県において必要に応じ公表する等適切な方途を検討いたしたい。