質問主意書

第59回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質五九第二号
  昭和四十三年八月十日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 重宗 雄三 殿

参議院議員加藤シヅエ君提出低開発諸国に対する家族計画援助問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤シヅエ君提出低開発諸国に対する家族計画援助問題に関する質問に対する答弁書

一、政府は、アジア地域の経済社会開発に占める人口問題の重要性を十分認識しており、かかる認識にもとづき、昨年度より技術協力の形により本邦におけるセミナーの開催等家族計画援助を行なつて来たが、今後これらの努力を一段と強化したいと考えている。

二、家族計画関係の国際機関や国際民間団体に対する援助については、政府として目下検討中である。

三、御説のとおり、わが国においては、そのような専門家が少ないのでその国外派遣は困難な事情があり、従つて現在までのところ国内におけるセミナーの開催を主体として技術協力を行なうことを考えている。しかしながら専門家についても可能な限り、国外に対して派遣する方法も考えて行きたい。

四、本年五月末、インドネシア政府家族計画特別委員会議長より日本政府に対し、家族計画の分野における専門家の派遣、研修員の受入れ並びに機材及び物品の供与につき一般的な要請があつた。これに対し、政府は、本年度予算においては、物品供与のための資金手当がなく、この面での協力は現在のところ不可能であるが、家族計画の分野における専門家派遣、研修員受入れについては、インドネシア政府よりの具体的要請を俟つて検討することとしたい旨回答した。

五、現在技術協力予算の内の医療協力費の内には機材供与の予算と専門家派遣に伴う携行機材の予算がある。しかしながら、これらはあくまでわが国の専門家派遣、研修員の受入れという「人」の技術協力に伴なつて援助する物品の援助たる性格を持つており、物品のみがこれらの技術協力とは無関係に供与されるという趣旨の物品援助のための予算は講じられていない。
 かかる意味の物品援助予算を設けることが出来るかどうかについては目下検討中である。