質問主意書

第57回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質五七第一号
  昭和四十二年十二月二十三日

内閣総理大臣 佐藤 榮作      


       参議院議長 重宗 雄三 殿

参議院議員北村暢君提出中央卸売市場法改正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員北村暢君提出中央卸売市場法改正に関する質問に対する答弁書

一、中央卸売市場に関する制度については、最近における生鮮食料品流通をめぐる諸事情の変化を勘案して検討してまいりたいが、御指摘の問題についても、その一環として今後検討をいたしたい。

二、中央卸売市場の卸売人については、民間企業体の経済行為としての集荷販売機能を十全に発揮させることが適当であると考えているが、同時にその公共的性格に着目し、所要の公的規制および監督を行なう必要があると考える。

三、中央卸売市場の仲買人については、その役割は十分評価されなければならないと考えており、市場の円滑かつ適正な運営を図る観点にたつて、仲買人に関する法制上の規定についても、今後さらに検討いたしたい。

四、流通機構の近代化を促進するためには、生産、流通に関する行政についての関係各省の緊密な連けいに基づく総合的な運営を前提として、これと金融制度が体系的に関連づけられている必要があることは認められるが、流通部門への融資は、本質的には企業金融であるので、企業金融全体の秩序の中においてそのあり方を考えなければならない。したがつて個々の具体的な融資制度は、関係する政府金融機関の目的および機能に照らし、もつとも効率的、かつ、秩序ある運用が図られるよう、それぞれの役割に応じ、各機関に割当てられるべきものであると考える。

五、国の流通行政に関し、関係各省は、その任務と権限に応じた分野でそれぞれ施策を推進しているものであるが、今後とも関係各省間の連けいを強化し、遺憾なきを期していきたい。

六、野菜生産出荷安定法については、大消費地域における主要野菜の需要見通しの作成公表、集団産地の育成、野菜生産出荷安定資金協会制度による価格補てん事業の拡充等に努めている。果樹農業振興特別措置法については果樹農業振興基本方針の作成公表、都道府県果樹農業振興計画の作成の指導、果実生産者に対する農林漁業金融公庫資金の融通等に努めている。畜産物の価格安定等に関する法律については、畜産振興事業団による買入れ、売渡しの適正、円滑な実施等に努めているが、さらに、この法律の趣旨の実現のためには、農業団体による生産出荷の計画化の促進等の自主的努力に期待する面も大きいので農業団体による豚肉および鶏卵の調整保管の助長、国の鶏卵需給計画と密接な連けいの下に行なう全国鶏卵価格安定基金による鶏卵の価格差補てん等の措置を実施している。
 これらの法律は、生鮮食料品の供給および出荷の拡大、安定等の見地から、価格、流通問題の解決に資するものであり、中央卸売市場法は、出荷された物品の消費地における円滑な集荷・分荷と公正な価格形成を目的とするものであつて、両者相まつて生鮮食料品の価格の安定と流通の円滑化に資するものである。今後ともこれらの諸制度と中央卸売市場の運営との関連について、十分配慮していきたい。