質問主意書

第37回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質第一号
  昭和三十五年十二月十六日

内閣総理大臣 池田 勇人      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員田畑金光君提出豊州炭鉱災害問題についての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田畑金光君提出豊州炭鉱災害問題についての質問に対する答弁書

一、遺体収容作業については、福岡鉱山保安監督部が鉱業権者を監督して、その促進を図つている。現在の取明け状況は、本卸、旧卸、人車卸の三坑道を各箇所四交替で取明け中であり、十二月十二日現在で坑口より約四九〇米の位置まで進んでいる。

二、遺体の収容については、現在の取明け状況から判断して、相当長期にわたるものと思われる。政府としては、鉱山保安法上遺体収容を強制する権限を与えられていないが、鉱業権者に対しては完全収容するよう極力指導していく方針である。

三、本災害発生の根本原因は、河底下数米の箇所が採掘跡になつていたことによるものである。
 本災害発生の責任の所在については、目下福岡鉱山保安監督部において捜査中であり、まだ捜査が完了していないので、現段階では結論に達していない。

四、豊州炭鉱の被災者の遺族に対する労災保険の遺族補償費および葬祭料は一人平均六三万円総額約四、〇〇〇万円の見込みであり、これが支給については必要な準備を整えており万全を期している。
 なお、現在会社側においては、見舞金として一律に二万円、その後月約一万円の生活補給金を支給しとりあえずの措置をとつている。