質問主意書

第31回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質三一第一号
  昭和三十四年四月二十八日

内閣総理大臣 岸 信介      


       参議院議長 松野 鶴平 殿

参議院議員青山正一君提出釣り漁場の保全並びに造成に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員青山正一君提出釣り漁場の保全並びに造成に関する質問に対する答弁書

 スポーツとしての釣漁場の保全については、直接これを目的とする施策は特に考慮していないが、これらの漁場のうち同時に漁業生産の場としても重要なものについては、漁業生産の維持増大を図る見地からその保全ないし開発に努め、間接的にスポーツ用釣り漁場としての効用も保全し、又は開発されるよう配慮している。すなわち、

(1) 最近工場地帯造成計画に基き、相当面積の埋立が実施されつつあるのは事実であるが、他方、毎年多額の国費を投じて、浅海増殖開発事業を実施し、新規漁場の造成開発に努めて、漁場の確保を図つている。

(2) 工場、事業場等の増加による漁場の荒廃については、公共用水域の水質の保全に関する法律、工場排水等の規制に関する法律等により、水質許容基準を設定して、汚水等の処理を義務づけ、その防止に努める方針であリ、ダム建設等による漁場の荒廃については、稚あゆ等の放流事業費補助金を支出し、又は当該ダムに対する魚道の設置を指導する等資源の維持培養を図り、その防止に努めている。

(3) ダム地帯の漁場としての活用については、当該地帯が漁業生産の場として特に好適である場合には、漁業生産の維持増大を図る施策の一環として、検討したい。