第24回国会(常会)
質問第一三号 筑豊炭田地帯の鉱害と遠賀川の維持保全に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和三十一年五月十七日 木村 禧八郎 参議院議長 松野 鶴平 殿 筑豊炭田地帯の鉱害と遠賀川の維持保全に関する質問主意書 昭和二十九年三月以来数回にわたる首題の件に関する質問に対し政府の回答並びにこれについての措置は一応諒承するところである。 その後の遠賀川の状況は左岸下流部の沈下の進行と共に右岸にも同じ現象を見るに至つている。即ち 1.昭和二十八年六月決潰した植木町中の江地先の上流、中島橋右岸橋台に亀裂を生じ、右岸橋面に沈下の現象がある。 2.中島橋より下流約三キロ半の左岸堤内地(人家あり)に地盤のゆるみと堤防の漏水がある。 3.飯塚市内芳雄橋は橋脚一基が沈下し、左岸側は二十七米沈没し橋面は十五度傾いた。(なお、この橋梁は二十八年水害で挫折し復旧されたものである。一日の交通量は昼間一万五千の人車である) 4.二十八年の左岸破堤箇所とその対岸は堤防復旧工事中であるが右岸部の唐熊地先の堤内地への堤防漏水は激しくなり、危険を感じている。 一、右の状況は右岸掘さくに起因する鉱害によるものと考えられるが、その原因についての政府の所見と対策如何。 二、若し鉱害によるものならば鉱業法第五十三条及び第五十三条の二により河敷直下はトンネル式の坑道掘進のみに制限するか、又はその採掘跡の完全充填を命令し得ると考えるが政府の所見如何。 三、建設省九州地方建設局に於て鉱害と遠賀川の関係を重視し、これを調査研究されていると仄聞するが、 1.調査研究の結果を発表された文献をお示し願いたい。 2.又、同局が植木町中の江地先堤防を切開して破堤と鉱害の関係を調査した事実があるが、この報告書を提出されたい。 四、右建設局は雨期前になると遠賀川本支流堤防の危険箇所を新聞紙上に発表しているが、本年も右の措置をとられるか、如何。 |