質問主意書

第22回国会(特別会)

質問主意書


質問第一号

国家公務員法を適用される職員の中現業的職務にある職員の人事行政に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和三十年三月三十日

田中 一      


       参議院議長 河井 彌八 殿



   国家公務員法を適用される職員の中現業的職務にある職員の人事行政に関する質問主意書

一、建設省地方建設局所管の公共事業費の中、土木営繕事業の直轄直営、直轄請負施工の額及び従事職員数及び従事職員一人当りの消化額をこれと類似する左の官処別に昭和二十六年から昭和二十九年度までそれぞれ挙げられたい。
土木事業-国鉄工事部、運輸省港湾建設局農林省農地局及林野庁、総理府北海道開発局
営繕事業-大蔵省、文部省、厚生省

二、定員法上の一般職職員以外の一般職職員の数を左の官処別に示されたい。
尚ここでいう一般職職員とは常勤労務者及びこれに準ずる職員でいわゆる常勤的非常勤職員以上の職員をいう。
国会、総理府、会計検査院、各省各部局別

三、近来定員法上の一般職職員の中殊に技能労務関係職員を行政整理とは別に常勤労務者(二ケ月雇傭の職員)に格下げして定員法上の職員から外しているやに聞くが、その事実があるかどうか。
 人事院は民主的な人事行政を掌理し国家公務員法第一条にいうこの法の施行を妨げるものに対しその監視を行うものと理解するが、もしこれが行われているとすれば、その職員(本人)が承諾したとしても、これは誤つた人事行政ではないか。又公務員法上平等取扱の原則に相反するものではないか。
 もしそれでも行い得るとすれば、その根拠は何に求めているか。尚この格下に対し配置換の辞令を交付して差支えないか。又この方法を実施しているとすれば、その官処と人員を併せて答弁願いたい。

四、国家公務員共済組合法第一条でいう「常時勤務に服しない者」及び各号とそれに基く大蔵省の各通牒に該当しない国家公務員一般職職員は総て常勤職員と解してよろしいか。

五、昭和二十九年三月二十六日付内閣参質第六号による答弁書の中第五項に建設省の人員整理については「事務の簡素化、能率向上について一段の工夫と努力を払うと共に、それによつて生ずる余剰人員を整理することを主眼とした。したがつてかかる事務運営上の工夫を加える余地の少い部分特に第一線の現場要員については、極力その整理を避けることとした。」として人員整理を行つたよう説明しているが、現内閣においては建設省に余剰人員があると認めるか。
 建設大臣竹山祐太郎君は建設省には定員内職員、準職員(常勤労務者)補助員(常勤的非常勤職員)という各種の職員が別々な待遇で同様な業務を執行しながら勤務しているといつているが、これは定員法上余剰人員のないことを示すものではないか。
 尚後段に説明している第一線の現場要員について誤つた人員整理の結果職員の必要を生じたときは、増員乃至は職場復帰の措置を行うかどうか。

六、第十九回国会において参議院建設委員会が取上げた建設省に勤務する補助員(常勤的非常勤職員)の他の職員との差別待遇をなくするため同委員会による政府への勧告はその後具体的に処置をとつたと思うが、その状況はどのようなものか。

七、人事院は去る二月十二日建設省地方建設局及び農林省農地局の各事業所に勤務する職員(常勤的非常勤職員)の身分保障に関する行政措置要求について判定を行い、その要旨を一般商業新聞紙上に公表しているが、「これらの職員は主として事業の恒常化、定常化、定員の不足(事業量と定員の不均衡)に原因して生じたものであり、事業の遂行のためには欠くことのできない職員である。」と表現しているように、これらの官庁においては明らかに定員の不足を示し、そのためにこれらの職員を雇傭して国民の要望する事業の遂行を計つているが、にもかかわらずこれらの職員の処遇は定員内職員常勤労務者と非常な差別を与えられ不安定な身分にある。従つて政府としては速かにこれの定員化を計るべきと思うがどうか。
 もし定員化に多少とも日時を要するとすれば、その間常勤労務者として勤務条件の向上を措置すべきと思うがどうか。
尚この判定の結果政府としてはどのような措置を講じたか。