質問主意書

第19回国会(常会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質第七号
  昭和二十九年四月九日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 河井 彌八 殿

参議院議員木村禧八郎君提出西日本大水害に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員木村禧八郎君提出西日本大水害に関する質問に対する答弁書

 遠賀川は、明治三十九年度から大正八年度までの間に国直轄で改修工事を施行したものであるが、その後年月の経過に伴い、流域の状況が変化するとともに地盤沈下の影響により堤防が沈下し、昭和二十年度から改修工事に着手している。
 しかして、昨年の西日本大水害に際し破堤した植木町地内の別添図面(一)の当該箇所は、大正年間に上記の改修工事の一環として河川敷地に堤防を新設した箇所であり、当該地区の石炭採掘状況は、別添図面(二)および(三)の通りであつて、地下約五〇〇米の炭層を採掘し、これによる特別鉱害認定工事は、昭和二十四年度に完了している。
 水害後の調査によると、破堤点の現在地盤より地下四乃至五米程度の箇所に厚さ一・二米乃至一・七米程度の砂層があり、被災時の異常な出水によりその砂層を伝つて堤防ののりじりに漏水し、不可抗力により破堤するに至つたものと推定される。
(図面は印刷を省略)