質問主意書

第19回国会(常会)

質問主意書


質問第一一号

対中共並びに韓国漁業問題についての再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十九年四月二十八日

青山 正一      


       参議院議長 河井 彌八 殿



   対中共並びに韓国漁業問題についての再質問主意書

 さきに、本件につき提出した質問主意書に対して、一応の答弁を受領したが、大日本水産会、日本遠洋底曳網漁業協会等と協議した結果、なお満足し難いので、ここに重ねて次の諸点につき、政府の所信を明らかにせられんことを切望する。

一、政府の答弁には、「厳重抗議し先方の反省を求めている」とか「わが方がこれに何等拘束されるものでない」とか述べられているにとどまり、漁業問題の実際的な解決について、如何なる方策を採らんとするか明らかでない。この点について具体的に示されたい。

二、日韓会談の再開についても、例えば政府高官が韓国を訪問する等の方法により、大局的に打開するが如き措置を講ずべきではないか。

三、政府が進んで中共政府と話合いを行うが如きことは困難であるとしても、関係漁業団体が代表者を派遣して、中共政府と交渉することが可能ではないか。かかる場合に、これら代表者の渡航申請のあつた場合に、政府は旅券を交付する考はないか。

四、民間代表者が、中共政府と何らかの話合いを行つた場合、その結果が妥当なものであれば、これに必要なる法制的措置を講ずる用意はないか。

五、対中共並びに韓国何れの場合も、賠償を要求するの権利を留保しているとのことであるが、その解決は将来に期するの他はないであろう。従つて、一応国内的措置として、何等か早期の補償その他の手続を講ずべきではないか。また、「特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法」の如きも、その適用範囲を拡大し且つ恒久的な措置とするが如き考はないか。

六、漁船の特殊保険制度並びに漁船乗組員給与保険制度を再検討し、その料率の引下げ、あるいは保険料の一部を国庫負担とする考はないか。

七、漁業団体等の主唱の下に、ソ連、中共、韓国等を含めたアジア漁業会議の開催が計画せられた場合、これにあらゆる便宜を与え、漁業問題解決を期すべきであると信ずるが、政府はこれらに関し、如何なる用意があるか。