質問主意書

第15回国会(特別会)

質問主意書


質問第一二号

製油工業危機対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十八年二月六日

油井 賢太郎      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   製油工業危機対策に関する質問主意書

一、わが国産業経済上極めて重要な役割を演じている製油工業の中核をなしているものは輸入大豆をその主要原料として経営せられているのであるが、最近政府において、政府資金による外国産大豆及び大豆粕の輸入並びにその廉価払下げ等が考慮中であるといわれている。
 この反面多額の国幣の犠牲をもつて実行せられんとする菜種の政府買上政策によつて齎らされる菜種の増産に伴う大豆の輸入の抑制並びに大豆粕の輸入の促進等も計画されているのであるが、これらの諸政策についての具体的方策を示されたい。

二、これらの一見逆行せる諸施策は総てわが国の製油工業に重大な影響を及ぼし、その存続の危機にさえ逢着し潰滅に瀕せんとしている状態であるが、かかる窮地に陥つている製油工業の将来に対し、政府は如何なる対策をもつてその発展策を実施せんとするものであるか明らかにされたい。

三、最近における麦類及び菜種の作付状況を見るに、昭和二十六年に比べて昭和二十七年は麦類は約六万数千町減少し、菜種は約七万数千町の増加と見ている。この結果は外国食糧の輸入増加を必要とし、菜種の政府買上げのため国家財政の膨脹を余儀なくされ、更にわが国重要産業である製油工業の危殆を招来する等国家経済上相当の悪影響を来たす面が多いものと認められるのであるが、凡ゆる利害得失につき政府としての見解を示されたい。

四、亜麻仁粕その他製油製品中国内及び国外における需要関係から輸出が可能なものについては、出来るだけ輸出の増進を図ることが肝要と思われるが、輸出の許可申請等に対して政府は何故か躊躇しその許可を遷延する傾向があり、業界よりこれを改めることを要望されているが、政府の所見を承りたい。