第15回国会(特別会)
質問第六号 旋網漁業の経営合理化についての質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和二十七年十一月一日 青山 正一 参議院議長 佐藤 尚武 殿 旋網漁業の経営合理化についての質問主意書 旋網漁業の経営を合理化して、これが健全な発達を期するためには、次の諸点につき、有効適切な措置を講ずることが急務であると考えるのであるが、政府の見解を、詳細且つ具体的に明示せられたい。 第一、旋網漁船の適正化 旋網漁業は、昨今の漁況と大海区制の制定等に伴い、その操業範囲を益々拡大せざるを得ない傾向にあるのみならず、その漁獲物もイワシ、サバの類から、カツオ、マグロの類にまで及んでいる実情で、使用漁船の増大は避け難い所ではあるが、操業能率の上からも、経営合理化の上からも、自ら限界のあることと考えるのである。依つて、これが適正屯数の調査を実施し且つ不適正漁船の代船建造については、長期且つ低利の融資をもつて、これを助成すべきである。 第二、合成繊維漁網の使用助成 旋網漁業の操業範囲の拡大に伴い、漁網整備の地域及び機会を逸する場合が多くなり、現に使用されている綿漁網では、腐蝕朽廃が甚だしいので、屡々出漁に支障をきたすに至るので、近時急速に発達した合成繊維の漁網を使用するの有利なるを痛感しているのである。然るに該漁網には未だ欠陥があり又一朝にして全量を流失するが如き事例もあるので、これが品質の徹底的改良を図るとともに、安価に供給せられることが必要である。故に該漁網が改良せられ且つ安価な供給が実現するまでは、これが使用の普及につき、国庫よりの助成その他特別融資等の対策が必要と考える。 第三、漁業許可料の問題 漁業許可料は、漁業制度の改革にあたり、現存漁業権に対する補償財源として創設せられたもので、かかるものの徴収自体の当否が論議されているのであるが、殊に旋網漁業は、右補償金に何等関連をもたないものであるから、許可料徴収は不当である。速やかに法律を改正して、これを廃止することを主張するものであるが、それが実現に至るまでは、旋網漁業の現情にかんがみ、漁業法第七十六条を適用して、少くとも減免の措置を講ずべきである。 |