質問主意書

第13回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

相互銀行法と加入者を泣かす解約手数料に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十六年十二月十日

原 虎一      
竹中 七郎      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   相互銀行法と加入者を泣かす解約手数料に関する質問主意書

 従来無尽加入者が契約期間中に掛金を途中で中止し解約払戻を受けようとする場合無尽会社が高額な解約手数料を徴収し、且つ期間満期迄の利子を徴する等の手段で血の出るような思いで積立てた掛金から大幅に天引し力の弱い加入者を泣かせている事実があり、又加入者が必要に迫られ高い入札で取つた場合調査に名をかり不当な手数料を付し中には保証人にケチを付けて支払を遅延させ二ケ月も三ケ月も延して利差をかせぎ加入者を泣かせている事実等は枚挙にいとまがない。
 かかる事は正当な金融機関の行為でなく悪徳高利貸的行為である。相互銀行法施行により従来のこれらの欠陥が改められ健全な金融機関となるものと了解していた所、最近神田の第一相互銀行において豊島区西巣鴨町二ノ二二四八番地田中良三氏が五口で十七万六千円の掛金をして十万円の借入を拒否されたので怒つて解約を申出たのに対し解約手数料と期間迄の利子と称して三万六千円余を天引徴収した事実が生じた。
 相互銀行でも右翼である第一相互銀行がかかることをやるとすれば従来の無尽会社と同じ事であるが、大蔵省はかかる不当な定款を認可しているのか。又金融機関が扱う月掛定期積金と同じように中途解約の場合実際掛けた預金に普通利子を付して返すように改める意志があるか御回答願いたい。
 無尽を利用するものは概ね零細業者であるので解約手数料の制度は首吊の足を引くのと同じ意味で不合理であるから廃止するのが至当と思うが、大蔵省の見解を説明願いたい。
 中小企業金融が深刻を極めている際零細業者を搾取するのは重大な社会問題であるので、国会法第七十四条によつて質問主意書を提出する。