質問主意書

第10回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

以西底曳網漁業対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十六年一月二十二日

青山 正一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   以西底曳網漁業対策に関する質問主意書

第一、西部海域における漁区拡張について

 以西底曳網漁業は、資源枯渇防止の見地から、多数の漁船の整理が強行せられ、多くの犠牲者を出したにかかわらず、漁獲は甚だしく減少し、漁業用資材の価格と魚価との権衡が、著しく失われているため、経営極めて困難となり、従業者に対する賃金の不払、遅配、租税の滞納等が相次ぐの現状である。この窮状を打開する根本策は、漁区拡張以外にあり得ないと考えられるが、政府は速やかに関係方面に要請して、これを解決すべきではないか。

第二、漁業取締の改善について

 以西底曳網漁船のマツカーサー・ライン侵犯に対する取締が甚だ厳重を極め、犯則摘発に没頭するの方針を改め、宜しく指導保護に重点を置く考えはないか。

第三、漁船行動の安全保護について

 以西底曳網漁船が、屡々第三国人から不法拿捕等を受けており、朝鮮事変以来一層甚だしいのであるが、その結果は操業自体が甚だしく不安になりつつあるのみならず、生命財産に重大な危害を受けることすらあるのである。この際、漁船の行動に関し有効適切な保護措置を講ずべきではないか。

第四、漁業用資材対策について

 以西底曳網漁船の場合だけではないが、最近の国際情勢の変動による漁業用資材価格の暴騰が、漁業経営に致命的打撃を与えつつあることは明白の事実であるが、これに対し速やかに有効適切な措置が講ぜらるべきではないか。

 以上の諸件に対する、政府の現に採りつつある、又は今後採らんとする具体的方策に関する所見を伺いたい。