質問主意書

第10回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

講和条約と漁業問題との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十五年十二月十四日

青山 正一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   講和条約と漁業問題との関係に関する質問主意書

一、わが国は、人口食糧政策上並びに海洋国家としての性格上、漁業生産への高度の依存を必要とし、これを国土周辺の資源に期待し難いから、国際漁場への進出は必至であると考えるが、この点に関する政府の見解を明らかにせられたい。

二、現行の漁区制限は、講和条約の成立に伴い、当然解除せらるべく、爾後は出漁の範囲に制約を加えられることがないものと解したいのであるが、政府の見解を承りたい。

三、伝えられる対日講和条約の基本要項なるものに、漁業に関する国際協定の厳守の一項を見るが、この国際協定とは、特定の目的内容を有するもの(例えば現在の国際捕鯨協約、オツトセイ促護条約)を意味し、現行の漁区制限に相当するが如き趣旨のものを指称するのではないと解したいのであるが、政府の見解を示されたい。

四、支那東海黄海方面と、オホツク海ベーリング海方面とは、かつてわが漁業者にとつて、最も重要な国際漁場であつたことは、周知の事実であるが、現下の国際情勢から観て、ソ連乃至中共との友好関係が確立せられない限り、将来出漁し得るや否やに関し、憂慮なきを得ないが、政府の見解を承りたい。

 講和問題に関しては、既往において、政府の所見を知るの機会があつたけれども、漁業問題に関して言及されていないので、この機会に前記問題に関して質問する次第である。