質問主意書

第7回国会(常会)

答弁書


答弁書第五九号

内閣参質第四七号
  昭和二十五年五月二日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員岩崎正三郎君提出生活協同組合に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員岩崎正三郎君提出の生活協同組合に関する質問に対する答弁書

 消費生活協同組合施行以来約一年七箇月を経過したのでありますが、生活の安定合理化を図る協同組織としてその数は逐次増加の傾向にあり、昭和二十五年三月末日現在におきまして組合数九〇一、連合会八、組合員数百六万五千三人、出資金一億六千百七十二万七十八円を数えております。これらの組合の育成指導につきましては、あくまでも組合の自立性を尊重すると共に組合員の組合ということに重点をおき、組合の指導育成にその適正を期しております。
 現今の所謂金詰りは生活協同組合の経営に重大な影響を及ぼしておりますが、この組合育成上最も困難を極めております金融面の打開につきましては、政府も鋭意努力しておる次第であります。然しながら未だ充分なる点に到達しておりませんことは誠に遺憾に存じております。
 現在におきましては、生活必需物資の引取資金としての融資順位「乙」の引き上げ、中小企業等協同組合法に基く信用協同組合の利用、更に国民金融公庫に対し組合理事の連名による借り入れ等の斡旋を行つております。幸い国民金融公庫は本年度におきまして十二億増資されることとなつておりますので、これにより相当利用が可能となると考えております。
 然しながら組合の健全なる育成の為には系統金融機関の設置が是非とも必要でありますが、これが為には堅実な組合の基盤を必要とするのであります。現在におきましては何分未だ組合の基礎も固らず、対外信用も充分とは申せませんのでこれが充実に意を致しますと共に、組合金融機関の設置の実現に努力致したいと存じております。
 又、組合はややもすれば組合幹部独占のおそれがありますので、絶えず、組合指導者講習会を開催し、生活協同組合の趣旨徹底を図り、組合精神の涵養につとめると共に、係員をして組合の経営面、経理面の監査指導を行いその適正を期しております。
 又、今般シヤウプ勧告に基く税法の改正により、従来認められておりました生活協同組合に対する減税の特典がなくなることとなりました。このことは組合にとつて相当の打撃でありますが、現在の国家財政の建前としては已むを得ない実情と考えております。
 以上申し上げました如く、組合の育成対策はあらゆる困難に直面しておるのでありますが、今後とも努力致しましてこれが改善を図りたいと考えておる次第であります。
 なお、都道府県別組合数、組合員数等は別表のとおりであります。

全国生活協同組合設立状況調 1/3
全国生活協同組合設立状況調 2/3
全国生活協同組合設立状況調 3/3