質問主意書

第7回国会(常会)

答弁書


答弁書第五三号

内閣参質第四一号
  昭和二十五年四月七日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員市來乙彦君提出賃金ベース引上げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員市來乙彦君提出賃金ベース引上げに関する質問に対する答弁書

第一項について

(一) 人事院の給与に関する勧告は、国家公務員法に基いて行うものであり、その内容、時期等については、人事院自らの判断によるべきものと考えます。
(二) 人事院の先般の勧告につきましては、政府においてはできるだけこれを尊重する建前の下に、充分検討を行いました結果、これに応じ難いとの結論に達した次第であります。

第二項について

(一) 実質賃金の増加につきましては、いわゆる六三〇七円ベースによる現行の名目賃金を変更することなく、ただこの賃金による実際家計即ち実質賃金を各般の施策によつてできるだけ充実改善したというのが政府の考えであります。
(二) 右の観点よりしまして、今後政府の諸施策によつて国家公務員の実際家計がどの程度充実改善されるかという点につきましては、標準生計費世帯について見れば別紙(昭和二十五年度勤労者家計の見透し)の通りであります。(本表の係数は先に提出した「国家公務員の給与に関する資料」(昭和二十五年二月三日内閣総理大臣官房審議室)中(資料四)の係数をその後における条件の変化に基き再検討の上修正したものであります。)
 なお右の見透しは、自由価格並びにヤミ価格は変動なきものとして、なされたものでありますから、最近におけるこれらの価格の著しい下落傾向を考慮に入れれば、実際家計の改善度は更に増大するものと考えられます。

別紙 昭和二十五年度勤労者家計の見透し 1/3
別紙 昭和二十五年度勤労者家計の見透し 2/3
別紙 昭和二十五年度勤労者家計の見透し 3/3