質問主意書

第7回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参甲第一六八号
  昭和二十四年十二月二十日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員江熊哲翁君提出さんま漁解禁日繰下げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江熊哲翁君提出さんま漁解禁日繰下げに関する質問に対する答弁書

一、戦後さんま漁法の急激な変化は従来操業していた漁業者に大きな打撃を与え、特にかい遊時期、かい遊経路が或る程度明瞭であるので、かい遊初期に近い北の漁業者と南下接岸を待つ南の漁業者との漁場遠近による優劣の差は例え漁船の大型化により或る程度緩和されるとは言え、当然問題にされるので解禁日変更が社会的問題となるゆえんもまたここにあるように考えられる。

二、かい遊時期、かい遊経路が或る程度明瞭ではあるが、年齢組成上より、或は種属の点より、研究すべき多くのものがあるので試験機関と協議の上、明年度漁期迄に結論を得るよう努力中である。

三、現行のままで行つた方が変更するよりも社会問題が軽微であると考えているのではなく、昭和八年以降実施して来たから現在これを変更するよりも踏襲する方が無難であるからと言う意味だけで変更することを躊躇しているのではなく、海況漁況が年により変るのを九月二十一日をもつて解禁日として実施するのが妥当でないことの事実は論ぜられているが、資源を保護し、大型船と小型船との条件の優劣の差、北と南の地域による差等を如何に調整して行くかを根本的に研究中である。

四、明年漁期前に諸問題に検討を加え、行政方針を確立するよう鋭意努力する考えである。