質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第四九号

前水産庁長官飯山太平君罷免に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十五年三月十八日

青山 正一      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   前水産庁長官飯山太平君罷免に関する質問主意書

一、前水産庁長官飯山太平君の罷免は世論を無視し政府の一方的見解に基き強行されたように思われるが、水産庁長官は国務大臣又は政務官と異なり純然たる行政官僚にして、これが若し伝えられるように政府の一方的見解によつて罷免されたとするならば行政運営の面に支障を来たし、かかる人事は今後に悪例を残すものと言うべきである。更に本人事に関して人事院提訴云々のことが伝えられるが、単なる行政官僚の人事につきかかる紛糾を見るが如きは政府の重大責任と思うが、これにつき所見をお伺いする。

二、農林次官の後任の問題更に今回の水産庁長官罷免その他二三の事例によれば最近における政府の人事には一方的感情に発する情実人事の世評があるが、かくの如き事実ありや否や、この点につき回答を求める。

三、前水産庁長官飯山太平君罷免に関してはその経緯並びに理由について、明確を欠くものがあると思われるが、所管大臣としての具体的罷免理由を明らかにされたい。

四、漁区拡張漁業用重油増配等今後水産行政面において飯山前長官の努力に俟つべき点多々あると思われるが、今回の罷免に依り今後これ等水産行政の処理に支障なきか否か所見を求める。

五、飯山太平君罷免による経緯よりして、後任人事につき、民間人の起用は困難な実情にあると思われるが、後任選衡に当り政府は如何なる見解を有するか回答を求める。