質問主意書

第7回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

恩給法の改正並びに恩給支払促進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年十二月五日

内村 清次      

       参議院議長 佐藤 尚武 殿



   恩給法の改正並びに恩給支払促進に関する質問主意書

 現在の恩給は過去の実質価値に比するなら極めて低下しているが、退職者にとつては退職後の生活の重要な要素となつており生活維持と再就職又は始めようとする営業に欠くべからざる資金となつている。然るに一方金額の支払は恩給事務の複雑と手続の繁雑とのために遅延し実際は長期間これの利用を当てにすることが全く出来ない実情にある。
 例えば 一般的な立場でも退職から支給決定まで五、六ケ月を要し更に支給までに二、三ケ月はかかるのである。現在国有鉄道公社名鉄局でも今次整理者中該当者は一四〇〇名あるが支給金額の決定すら本年中はされないことが決定的となつており、全国鉄には未だ三月退職者すら決定をうけていないものが可成ある。ましてや全官庁の退職者を考えるなら実に数万の人々が支払を待ちのぞんでいる。
 以上の如く受給者の得るべき利益は減少し且つ阻害され恩給法の諸目的は充分に達成されていない。
 よつて以上の如き事情に鑑み次の諸点に対し答弁を要求する。

1 恩給支給金額の増額を政府は意図するや

2 支給については少くとも退職後一定期間内には支給する義務を行政官庁は自から負うべきであると思うが如何、なお支給期間の明示に対する立法化の所見

3 審査裁定並びに支払の手続きの簡素化について

4 退職時に概算払をなしうる方途について

5 現在行政整理に伴う事情については特に緊急処理のため政府部内において特別の措置を講ずる意図あるや

右恩給受給者の生活安定を図るため法規の改正と運用の改善を図る必要あることを認めるか。

  右質問に対し、文書答弁を求める。