質問主意書

第6回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参甲第一五九号
  昭和二十四年十二月二日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 佐藤 尚武 殿

参議院議員星野芳樹君提出未利用資源「あぶらちやん」調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員星野芳樹君提出未利用資源「あぶらちやん」調査に関する質問に対する答弁書

一、未利用油脂資源として、「あぶらちやん」の利用を促進する必要を認め、昭和二十三年以来「油脂資源増産全国協議会」を指導し、その下部組織(各府県単位)を中核として「あぶらちやん」の実の採集利用を奨励している。この種の未利用種子の採集は、採算と労務(従来は主に小学児童)運営の問題が重要であるから、先ず最も良い条件を具えた新潟、福島、栃木の各県下に採集の主力を注いでいるが、逐次各府県に採集利用の普及を図つて行く方針である。

二、財団法人日本農業研究所、小原農学博士の調査によれば、「あぶらちやん」の成分構成は次の通りであることが判明している。
 カプリン酸………四〇-五〇%
 ラウリン酸………三〇%
 ミリスチン酸……一三%
 オレイン酸………七-八%
 なお、同博士によれば、「あぶらちやん」種子の含油率は二〇%である。この油の用途は石鹸原料として適当と考えられる。

三、「あぶらちやん」は、本州の暖帯北部より温帯の山野に分布自生している落葉の灌木であつて、その種子は利用可能のもの五百万貫程度である見込であるが、その具体的分布状態については、目下調査中である。