質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第八十七号

内閣参甲第九六号
  昭和二十四年五月十八日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員三好始君提出農家の麹製造場許可に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員三好始君提出の農家の麹製造場許可に関する質問に対する答弁書

一 農業協同組合等による共同製麹に対する御説は御尤と考える。ただ然しながら、御承知の通り、最近における酒類密造の弊は殊に由々しいものがあり、麹が密造酒の根源である実情に顧み、少くとも新規の免許は原則として与えないこととしているものも亦止む得ないところと了解され度いのである。
 農家の麹共同製造については、協同組合等における味噌、醤油の共同製造場において使用する麹の製造免許については、特別にこれを附与することに取扱うこととしているのである。農家の自家製麹についても、右に述べたような趣旨から、これをできるだけ厳重な取締りの下に置くことが望ましいが、かくては余りにも実情に即しないこととなるので、この程度のものは止むを得ないと認められるのであるが、農業協同組合等による製麹であるの故をもつて直ちに免許を附与することについては、今少しその実情と取締りの方法を研究した上で考慮致し度い。

二 海外より引揚者であつて、外地で製麹業に従事していた者等特殊な事情にある者に対して例外的に麹製造免許を附与することについては、その事情は充分同情すべき点はあるが、製麹許可については、右に述べた通り酒類密造防止の見地から一貫した方針をもつて臨んでいるので、例外的の取扱いは困難である。