質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第八十五号

内閣参甲第九五号
  昭和二十四年五月十四日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員太田敏兄君提出米価のパリテイー方式に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員太田敏兄君提出米価のパリテイー方式に関する質問に対する答弁書

 御指摘の資料にもある通り、昭和元年と昭和九年とを比較した場合の農産物価格と農村必需品(工業品)価格との関係については、所謂米価率だけから考えて見ても殆んど同様の結論になると考える。
 然しながら、この昭和元年の事情を再考してみると、一般物価は大正末期以降下落の傾向を辿つていた反面、米価については大正十二年産米以降の概して不作つづきの影響を受けて上昇の傾向を示していた年であるので、この観点から現在のパリテイー計算の基準年度である昭和九年を考えた場合、昭和元年を基準とした物価指数の変動のみによつて所謂シエーレがあるとばかり言えないのは、例えば明治三十三年を基準とした米価率(一、一八五)によつて所謂逆シエーレがあるとばかり言えないのと同様であると考える。
 なお、米価率から同じくパリテイー計算の基準年度である昭和十年及び十一年を見た場合、米価率はそれぞれ一、三七三及び一、三二七であつてかりに昭和元年(米価率一、三四四)を基準とした場合においても、必ずしもシエーレがあつたとは言い得ない。