第5回国会(特別会)
答弁書第七十六号 内閣参甲第七六号 昭和二十四年四月二十八日 内閣総理大臣 吉田 茂 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員帆足計君提出現下の金融梗塞についての質問に対する別紙答弁書を送付する。 参議院議員帆足計君提出現下の金融梗塞についての質問に対する答弁書 (一) 炭鉱向資材未払金の整理については昨年末以来種々手段を尽して来たが、今日迄具体的解決に到らず、甚だ遺憾であるが近い将来に打開策を得るべく、各資材供給業者の炭鉱別売掛金を調査し、これが資材業者の経営に及ぼず影響を精査し、目下その対案を鋭意検討中である。 (二) この点については誠に遺憾と考えており、現状打開について具体策を考究中である。 (三) 政府においても炭価配分の改正を考えており、これにより優秀炭鉱の経理は相当有利になることも予想されるので、夫々の石炭企業につき速かに将来の経理についての見透し、未払金の整理計画を樹立せしめるとともに、市中金融機関をして必要な繋ぎ資金を融通させるよう斡旋する等の方法により本問題の急速解決を図ることと致したい。 (四) 本年度四、二〇〇万屯出炭確保のためには今後資材及び機械の生産並に納入について積極的対策を取る必要があると考えるが、唯炭鉱としては今後の経営合理化によつて支払可能な物品のみを発注し、再び未払金累積の問題を起させないように指導する方針であり、指定生産資材の割当もこの面から調整を加える予定である。 (五) この点については、かかる事態が発生しないよう政府としては全力をあげて金融梗塞打開について努力中である。 |