質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第三十六号

内閣参甲第三九号
  昭和二十四年四月一日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員池田恒雄君提出農業所得に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員池田恒雄君提出農業所得に関する質問に対する答弁書

一 各税務署は、現地の事情に応じてできる限りの努力をいたしていると考える。茨城県下における関係税務署に対しては、去る三月二十六日さらに強力にその趣旨を指示した。なお、まじめな農業団体の提出した資料は、十分これを検討する方針である。

二 税務署は、適正な自主的申告が行われ、且つ、これにより申告納税制度が健全な発達をとげることを理念として執務している。申告の状況と税務署の事務分量の現状から見れば、理想の境地に達するには、なおかつ時日をもつてしなければならないと考えられるが、この点については、鋭意改善すべく努力する方針である。

三 現在の追徴税の徴収は、申告の現状及び税務署事務の実情をあわせ考慮するときは、妥当な税法の運用を行つているものと思う。加算税は、延納利子というような性質をもつているので、正当期限内に納税をした者との権衡上、これを徴収することが正当である。

四 所得標準率は、通常の農家における通常の収穫量等を調査して作成したものである。災害により減収のあつた農家で、標準率により所得を計算することが適当でないと認められるものについては、その実情に応じて課税する方針である。