質問主意書

第5回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二十四号

内閣参甲第二六号
  昭和二十四年三月二十二日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員池田恒雄君提出農業所得税更正決定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員池田恒雄君提出農業所得税更正決定に関する質問に対する答弁書

一 昭和二十三年分の農業所得に対する申告納税所得税については、各農家の所得の実情に即応する適正課税の実現を図るとともに、申告納税制度の健全な発達に資するため、たえず努力しているのであつて、本年は相当改善されたと確信しているが、まだ十分とは考えられないので、将来とも十分努力する。なお、高率の事故を犯した税務官吏が、もしありとすれば、実情を調査した上、必要に応じ適当の措置をとる。

二 農業所得に対する所得税の賦課及び徴収については、税法を適正に執行し、公正な課税が行われるよう努力している。この点については、納税者の税法に対する一そうの理解と協力とを期待するものである。

三及び四 税務署において、更正決定を行う場合においては、できる限り多くの課税資料をしう集し、これに基いて適正な更正決定を行うよう努力している。本年度においては、所得標準の公開、団体諮問の活用その他執務上相当の考慮が加えられており、納税者の申告の状況は、昨年に比し格段の改善の跡が見受けられるので、全国的には更正決定の数は、相当減少している実情にある。

五 税務官庁においては、農業所得に対する課税についてのすべての事務を、申告納税の自主的達成に十分役立つように考慮し、この基盤に立つて一切の運営を行つている。従つて、まず農家の自主的な正当な申告納税を期待し真面目な申告は、十分これを尊重し、推奨するとともに、その申告が不当と認められるものについては更正決定を行い、真面目な納税者との負担の公正を図つているのである。

六 茨城県取手町及び那珂郡大賀村における二事実については、その事実を調査した上、おつて答弁する。