質問主意書

第5回国会(特別会)

質問主意書


質問第八十五号

米価のパリテイー方式に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年五月七日

太田 敏兄      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   米価のパリテイー方式に関する質問主意書

 曩にわたくしは、米価のパリテイー方式による計算について、主としてシエーレーの問題を取上げて質問(昭和二十四年三月十九日質問第三十四号)した。
 すなわちまず、基準年度においてシエーレーが、存在していたか否かを問うたのであつたが、政府の答弁は、「昭和九年乃至昭和十一年は昭和初年の経済恐慌も一応おさまつて景気は恢復期にあり、又日本が戦争状態に入る前の年次でもあり、我々が過去において日本経済或は日本の農業経済が比較的安定していた年を求めるとすれば、この時期が最も適当と考えている」と、のみで殊更わたくしが聞かんとした肝心な問題の焦点を巧みに外している。
 故にわたくしは、政府が、日本経済が最も安定していた年であるという昭和九年或は十一年においてすら、なお且つ農産物価格と農村必需品(工業品)価格の間にシエーレーが生じている事実を、数字を挙げて指摘しよう。
 すなわち、第一表及び第一図に示す如く、昭和六年を一〇〇とする物価指数によつてみれば、昭和九年一月乃至十一月には農産物価と農村必需品価格との間に、相当の価格差があつたことが窺われる。また第二表及び第二図は大正十年中の物価指数の動きを示したものであるが、これによつてみても、両者の価格指数は、なお若干のシエーレーの生じていることを表わしている。
 殊に、第一表は農林省統計によりたるものである。政府はかかるシエーレーの事実を、米価のパリテイー計算において如何に取扱わんとするのであるか、わたくしはこの点について重ねて答弁を要求する。
 左の添附書類は印刷を略す。
  第一表 昭和九年のシエーレー及び第一図昭和九年のシエーレー
  第二表 昭和十年のシエーレー及び第二図昭和十年のシエーレー
  参考資料(1、2、3、4、5)