質問主意書

第5回国会(特別会)

質問主意書


質問第五十三号

農家の麹共同製造場許可に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年四月八日

三好 始      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   農家の麹共同製造場許可に関する質問主意書

 農家が昔からの生活慣習として、祭等の際に甘酒を製造し、或いは、味噌、醤油等を多く自給して来たことは、農民経済の必然の情態であつたと言える。然してこれらの原料としての麹は、麹製造業者に製造を依託する場合と、自家製造する場合とがあつたが、近時協同組合活動発展の気運に伴い、共同製造場設置の傾向が強くなりつつある。
 然るに、自家製麹には制限を設けないに拘らず、これを合理化するものとしての麹共同製造場の許可には極めて厳格な制限を設け、米を原料とする麹の共同製造は一切許可しない方針のようである。米以外の原料を使用する麹の共同製造も、農民生活の実状を無視した規定で制限している。これは、恐らく密造酒予防の措置と認められるのであるが、製造業者の製麹並に個人の自家用製麹が安全であつて、協同組合等の製麹が密造酒に利用される危険があるとは、到底考えられないのである。かくの如きは、農業協同組合の活動を不当に抑圧するものと言わねばならない。
 政府は右に関する現行の許可方針を改める意図があるかどうか明確に答弁されたい。