質問主意書

第5回国会(特別会)

質問主意書


質問第四十八号

六・三制予算に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十四年四月四日

カニエ 邦彦      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   六・三制予算に関する質問主意書

一、学制改革の根幹は六三制の完全実施にあるに不拘六三建築を公共事業のわくから除けば施設の完備ができないことは当然だがこれに対する所見如何

二、政府は数ケ年に亙る継続事業として学校建築を決定して以来、各町村共その線に沿い、建築続行中であるに不拘今若しこれを中絶せんか、町村財政に破局を招来する虞れ多分にあり、これに対し政府は如何なる責任を負うか

三、町村財政の混乱は思想界にも大きな波紋を起すこと日を見るより明かだがこれに対する政府の所見如可

四、六三建築の中断により校舎は不足のままとなり単に教育効果を挙げ得ないのみか、生徒はますます不良化の一途を辿ること必至だが政府のこれに対する所見如何

五、文化国家の建設は教育から‥‥とは政府自身絶叫しながら数年を出でずして学校建築に対する国庫補助を打ち切ることは裏面に如何なる事情があるにしても国民に対する責は悉く政府当局にあり、国民の政府に対する信頼感は全く消失すること必然である、その覚悟ありや

六、政府は六三建築に対する補助につき如何なる方針で進む積りなりや

  右六項目の質問に対し政府の具体的にして且つ責任ある回答を求む