質問主意書

第4回国会(常会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参甲第二〇五号
  昭和二十三年十二月十五日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員板野勝次君提出不正摘発粛正委員会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員板野勝次君提出不正摘発粛正委員会に関する質問に対する答弁書

 官界の刷新と政界の浄化については、既に総理大臣の施政方針演説にも明示している通り、その権限と責任のある機関によつて強力に綱紀粛正の方途を講ずる方針である。
 一部政府職員組合がかかる不正摘発運動を行うことは、国家公務員法の制約もあり、又その摘発行動が行過ぎて不確実なる事実を流布する等個人の名誉及び自由を阻害した例もあつて適当とは思われない。
 次に大口脱税について、全国財務労働組合において摘発を行おうとしたことがあるが、脱税の摘発はその権限と責任のない組合において行うことは妥当でない。
 しかしながら大口脱税の摘発は政府の最も意を用いている所であつて、去る八月以来国税査察官制度を設けて大口脱税の徹底的補捉に努め、既に相当の成績を挙げており、今後においても右機構の活用により大口脱税の摘発を徹底したいと考えている。