質問主意書

第3回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二十三号

内閣参甲第一八七号
  昭和二十三年十一月三十日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員板野勝次君提出主食配給に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員板野勝次君提出の主食配給に関する質問に対する答弁書

一、昭和二十四米穀年度における主要食糧の需給推算においては年間を通じまして穀類以外の甘藷、馬鈴薯及藷加工品で配給されるものは通三、一一八万石であつて年間需要量の六%強であります。
 而して甘藷及馬鈴薯を右の如く主食として配給することに依つて需給計画が成立つたのでありまして藷類を主食として扱うことは戦時戦後を通じて継続せられて来た所でありまして藷類を米に換算して配給食糧の中に含め所謂二合七勺の配給となるのであり決して欺瞞ではありませぬ。
 なお配給基準量に関する政府の正式発表は米換算の重量建でありまして容量制は一般にわかり易いように便宜使用しておるのであります。

二、政府は十二月中に二十日分の米を配給すると云ふ約束は致して居りません。
 なお主食の配給が政治的に左右されると云うことは絶対にありません。

三、年間月別の米の配給は可及的平均化する方針の下に各種の施策は致して居るのでありますが昭和二十三年末の実収高も未定であり且つ不足補填の大宗である食糧輸入の期別種類別見透の確定して居りませぬ為米の月別配給率を明示する時期に到つて居りませんが本年産米の補正割当の結果から致しますならば年間全国を平均致しますと国内産米の配給し得る数量は飯用需要量に対して約五五%程度と考えられます。

四、昭和二十三年産米の消費者価格の算定に際しては、先づ米、麦、甘藷各々の政府買入価格(農業バリタイ指数に基いて算定した生産者価格)を基礎として、お説の通り、これに集荷人手数料、倉庫保管料、運送賃、配給手数料等の諸費用と、早場早堀奨励金、食糧管理局経費、農業調整委員会経費等の諸経費を加算して、別表(一)のような精米、精麦、小麦粉、甘藷等の価格を算出し、更にこれまで本年産米及び甘藷を旧価格で配給することによつて政府に生じた欠損額等を見込んで、各品目間に適当な価格比を保つように、十一月以降明年六月迄に配給される予定の各品目の数量によりプール計算して算定したものであります。(別表(二))
 なお、右消費者価格に織込んだ諸経費については慎重に検討を加えたものであつて、この為に消費者価格が不当に値上りしたとは考えておりません。

別表(一) プール消費者価格算出表(一九四八年一一月―一九四九年六月)

別表(二) 精米の消費者価格算出表(プールする前の価格) 1/2
精米の消費者価格算出表(プールする前の価格) 2/2