質問主意書

第3回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第十一号

内閣参甲第一七五号
  昭和二十三年十一月三十日

内閣総理大臣 吉田 茂      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出植林増進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出の植林増進に関する質問に対する答弁書

(イ) 植林の成果は一に苗木の良否に支配せられるところが多いので政府では林業種苗法に基いて優良な苗木の養成に努めている。
 来春の植林に要する苗木の確保については本年度公共事業費約一億八千万円を計上し四億本の苗木養成に努力している。なお民有林の植林に対する補助金としては、国費四割、都道府県費一割合せて植林費用の半額を補助することになつており、スギ、ヒノキの場合一町歩につき約一万円程度を助成する方針であり、これが予算三十三億円を目下要求中である。

(ロ) 営林署数は三三四、それに属する担当区数は二、一二一で国有林の管理経営を行つているがその数については一応整備されていると考えている。しかし営林行政については、国有林野事業の独立採算制の問題もありその管理経営の合理化についてなお考慮改善すべき点も多いので国有林の特殊性を十分発揮し得るような方策につき研究を進める所存である。

(ハ) なお、荒廃せる山林の復旧のためには、造林事業、治山治水事業、林道網の充実、森林経営計画の樹立、開拓事業との総合的調整及び薪炭木材等生活必需部面への森林伐採と森林資源維持との調節等の総合的林野行政を要求せられる訳であつて、林野局としては所期の計画に従つて強力にこれを推進しつつあることを申し添える。