質問主意書

第3回国会(臨時会)

質問主意書


質問第十九号

干拓工事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年十一月十七日

板野 勝次      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   干拓工事に関する質問主意書

一、児島湾干拓第七区建設工事は農地造成の目的を以て昭和十九年五月着手せられ、現在農林省所管国営事業として施行せられているが、本年四月二十三日潮止工事が一応完成せられたが、それは極めて不完全なものであつた。そのため本年八月以来台風の影響による未曽有の高潮で潮止工事の堤塘は破損し、堤塘も沈下したのでこれの復旧のためには相当な経費が計上せられねばならないのに予算残額僅かに壱千六百万円であると云われている。この僅少予算では工事は停頓状態の外なく、開拓者の生活困難はいまや言語に絶する状態となつている。

二、本干拓地を取囲む沿岸耕地は御承知の如く往年海面を干拓して耕地としたもので地盤低く排水条件の悪い箇所である。潮止工事施行以来数次の高潮による堤塘災害と地盤沈下に基く再三の堤塘決潰とによつて排水不良となり塩分除去の能力を減じ、広範なる地域にわたつて農作物の被害を生じた。

三、質問主意の第一項及第二項は何れも政府の無責任なる干拓政策の結果であると思うが、これに対し政府の開拓者の生活保証を含む予算措置並びに被害農作物の全額国庫補償及農業再生産の保証の意志があるかどうか、あればその具体的内容を明示されたい。

四、これを機会に政府の干拓政策及計画を承りたい。