質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第百四十四号

内閣参甲第一五二号
  昭和二十三年七月五日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出「金」政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出「金」政策に関する質問に対する答弁書

一、金は対外決済手段としても必要であり之が増産を計る考えであるが我邦金鉱山の大部分は金山整備によつてその設備を撤去されているので之が全面的復活は現下の経済状勢より見て非常に困難である。しかし将来有望にして且つ経理の健全化を期し得ると認められるものに付ては設備の復旧、新規開発等資金、資材の許せる範囲内において援助を与える考えであり既に鴻の舞鉱山(北海道)は青化製錬設備復旧の第一期工事を進行中である。

二、金の価格に付ては他の鉱産物と同様今回の物価補正政策により適正な補正を行うよう目下準備中である。

三、政府としても、国内産業政策上の見地からも、又、国際経済参加の前提としても産金奨励その他の金政策の須要であることを充分認めている。しかし乍ら、敗戦後の経済全体の荒廃特に基礎的資材が極度に不定している現況にあつては、資金、資材を投入した場合の効率に着目して、資材の配分、資金の融通をなさなければならないのであつて、産金政策も当然、この方式によつて規制される。
 国際経済参加のために金を必要とすることはいうまでもないが、金は国内産金のコストが割高である場合には、むしろ、採算の有利な商品の輸出に力をいれた方がよい場合もあるから、彼此勘案して、産金に対する政策を決定したいと思つている。