質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第百三号

内閣参甲第九五号
  昭和二十三年五月七日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出引揚者生業資金貸出額引上げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出引揚者生業資金貸出額引上げに関する質問に対する答弁書

 生業資金貸付額の増額については、今後の引揚状況をも予定してこれを予算する必要があると考える。
 貸付限度額の引上げについては本貸付措置は引揚者の計画する事業の全資本を提供するものではなく、通常の金融或は取引関係を開拓し得るまでの第一段の手段を提供するものとなつている実情に照して、必ずしも物価と正比例に引き上げることを要するものではないが、一般の物価事情に応じて必要な引上げを行わなければならないことは勿論である。この趣旨によつて政府は去る三月二十日より一世帯当り五千円を七千円に引き上げた次第である。今後の新物価体制については今のところ主として所謂安定帯物資についての価格の補正を中心として考えられている次第であつてこれが一般の実効物価に対してどの程度の影響を齎すかと言うことは今後の問題であるけれども、更に限度の引上げを実施しなければ本措置の目的を達成し難いと認められる場合には適当に措置する心算である。