第2回国会(常会)
答弁書第九十七号 内閣参甲第一〇三号 昭和二十三年五月七日 内閣総理大臣 芦田 均 参議院議長 松平 恒雄 殿 参議院議員小川友三君提出主食糧遅配主因に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小川友三君提出主食糧遅配主因に関する質問に対する答弁書 東京都においては四月末若干の遅配を生じたのであるがその原因としては左の如きものが考えられるがこれは食糧の絶対量の不足に起因したものではなく全く配給操作上一時的に生じた問題であつて目下は既に解消している実情である。 (一) 東京都の人口が政府の計画人口と若干喰い違つているため政府の食糧配給公団に対する売却数量が現実の配給人口に対し不足を来したこと。この点に付ては政府は国勢調査人口等を基礎として計画を樹立しているのであるが現実の配給人口はこの国勢調査人口を遥かに上廻つているのでこれが喰違いに付ては不正受配人口の存在も認められるので鋭意この人口喰違の実態を究明中である。 (二) 末端配給の操作上から一時的に現物配給の不円滑が生ずる場合がある、即ち現在東京都においては米、小麦粉、砂糖等相当多品目を配給しているのであるがこの各品目の配給順位の如何により地域的に配給の不円滑を生じたものであつて食料配給公団の配給のかけひきというようなものではない。 食料配給公団の配給する主要食糧の代金に関しては政府としてはあくまで現金と引換に主要食糧の受渡を行わしめる立前である。 勿論公団の末端配給所における労力の不足等の理由から已むをえず配達前に現金の支払を受けるような場合もあると考えられるのであるが現物の引渡と代金の支払との間が数日あるというような事実があるとすればそれは政府の意図にも反するものであるから厳重に監督するようにしたい。兎も角消費者各位におかれても現下における食糧配給上の諸制約をよく理解され公団業務とそのよりよき運営に対する御支援を賜りたいものと考える。 |