質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第八十九号

内閣参甲第九〇号
  昭和二十三年五月七日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出某次官事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出某次官事件に関する質問に対する答弁書

 御質問の「政府は官吏を冷遇し過ぎないか」との点については、今回の官公吏の新給与水準の決定に際しては国家財政との関係並びに一般インフレーシヨンに対する影響等のみでなく、特に民間の給与水準、一般国民の生活水準等をも十分勘案の結果立案せるものであり、あながち官公吏の給与のみが著しく低きに過ぎるとは思われない。
 次に、責任の重大なる地位にある有為の人物に後顧の憂いなくその職務に邁進せしむるような施策を構ずべきであるとの御質問については、至極尤もなことと思うが、今回の新給与の体系においては、従来の漫然たる年令や勤続年数等に基く給与を改め、職務の価値に応ずる給与に切替えんとするものであり僅かではあるが有為の人材を優遇する方向に一歩を踏み出した次第である。
 なお、御質問の次官級の給与は、今回の新給与では、五人家族手取大体一三、〇〇〇円位となる計画であり、決して十分とは言い得ないが、現段階としては、全体の給与水準から見て止を得ないものと思う。