質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第四十六号

内閣参甲第五〇号
  昭和二十三年四月六日

内閣総理大臣 芦田 均      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出重要外交に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出重要外交に関する質問に対する答弁書

一、最近民間貿易の一部再開その他の結果、訪日外国人の次第に増加しつつある情勢に鑑み、政府としても、輸送機関、ホテル等の改善その他、之等外客受入体制の整備にできるだけ努力している次第である。
 交通施設に関してはその根幹たる国有鉄道の輸送力の全般的復旧増強につとめるのは勿論、特に外客の来往に備え優等車の増備にもできるだけ力を注ぐ方針である。又自動車道路、ガイドその他観光施設の改善に関しても種々対策を考究中である。
 ホテルの整備拡充は刻下の急務であるが、資材資金の不足のため、重点主義によりその実現に努力しているが、このため特に国家において全国十一の観光ホテルを建設し民間人をして経営せしめる建前の下に、その所要経営を昭和二十三年度一般会計予算の中に計上するよう運輸省において建設院を通じ経済安定本部に要請中である。

二、外客接遇上娯楽施設の充実は極めて肝要であるが、外客受入に第一に必要である宿泊施設の極めて不足している今日、上述の如くまづこれが整備に重点を置き、資金資材に余裕が生じ次第娯楽施設の充実に努めたい。
 なお外客向娯楽施設としては、欧洲諸観光国にみられるカジノない至クーアハウスといつたようないわゆる綜合慰楽施設を漸を追つて主要観光地に設置することとしたい、目下これが基礎的調査研究を進めている。

三、外務省予算に計上してある交際費報償費は主としてこの目的のために使用する経費であるが、二十三年度予算には約七百万円を計上する考えである。この額は必ずしも充分ではないがわが国財政の現状よりすれば已を得ないのではないかと思われる。

四、連合軍占領下に在つて直接外交々渉の途はないから特別に親米新中華、親ソ、親英外交費としての経費は計上していない。但しこれ等の国々と何時外交が再開されても何等支障ない様常に準備しており、このための基礎調査に必要な経費として二十三年度予算に九百余万円計上する考えである。