質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第二十二号

内閣参甲第二二号
  昭和二十三年二月十七日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出青酸加里取締強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出青酸加里取締強化に関する質問に対する答弁書

一、青酸加里につきましては、毒物劇物営業取締法により、毒物として取り扱われ、その供給の根源である製造業者、輸入業者及び販売業者の所持している毒物劇物の貯蔵、保存、譲渡手続等につき、厳重取り締られ、その正当な用途にのみ供せられるよう処置いたしておりますが、これら毒物劇物は、化学工業の原料品として重要なもの多く、これ等化学工場内における取締方法如何は、化学工業の振興に影響を及ぼします関係上、その取締に困難を来している情況であります。然しながら最近青酸加里その他による不祥事件頻発する社会情勢に鑑みまして、一般工業に及ぼす影響をも充分考慮しつつこの種危険物の保管その他の取締強化につき、適切な処置を執る考えであります。
 なお、必要な法的措置につきましても種々研究中であります。

二、重クロム酸カリは小学校実験教育上必要であるからこれを今直ちに取上ぐるのは妥当でないと考えます。
 毒薬及び劇薬の保管については各小学校の校長の責任においてかぎを備えたる場所に陳列又は貯蔵しているがこの際なお一層これが励行についての措置を講じ万遺憾なきを期したいと思います。