質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参甲第九号
  昭和二十三年一月三十日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出日本酒醸造業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出日本酒醸造業に対する質問主意書に対する答弁書

一、現在の清酒(日本酒)の醸造原価は昨年の醸造時期における原料米その他の諸原料の買入費用、石炭その他の燃料費、人件費、その他の諸経費を基礎として決定(昭和二十二年四月一日物価庁告示第百二十二号)したものを昨年七月における新物価体系に順応し、石炭の価格改訂に伴う管理用燃料の値上り、千八百円ベースに基く人件費の高騰その他諸経費(運送費、修理費、電力費等)の値上り等の誰要素を折込み改訂(昭和二十二年八月二十七日物価庁告示第五百号)して今日に至つたもので現在の物価体系のもとでは適当と認められる。しかし本年度における米価の改訂等最近において諸事情が相当変化しているので近い将来においてはその引上げを考慮している。

二、酒税の課税は製造場から移出した石数に応じ徴収し樽詰品についても壜詰品と同様移出した実際石数につき課税しているもので容器により差異のあるものではない。
 御質問のような疑問が生じたのは四斗樽詰品の小売価格が四斗樽一本(四斗につき酒税を課したもの)を三斗八升五合に量売する場合を予想してたてられている。(四斗につき一升五合の欠減を見ている。)ことによるものと思われる。
 右のような措置をとつている理由は、酒を製造揚で樽詰し消費地まで運搬し消費者の手に入るまでには四斗につき一升五合(約四分)程度の欠減が生じることが永年の経験により一般的に認められており又実量した結果もこれに近い数字がでているためである。
 以上の如く販売価格については、小売業者にあまり酷にならぬよう考慮しているのであるが、酒税は製造場から移出するときの実際石数に課税するのであるから一合と雖も無税で市場に出るようなことは考えられない。