質問主意書

第2回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参甲第三号
  昭和二十三年一月二十七日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員市來乙彦君提出国費の緊縮行政の整理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員市來乙彦君提出国費の緊縮行政の整理に関する質問に対する答弁書

一、今冬における薪炭の生産供出状況は現在までの推移より見れば年度頭書の計画には及ばないが昨年に比較して一〇%から二〇%程度は良好になつているものと予想される。移出実績は、木炭においては計画に及ばないが薪は計画以上に上つている状況でいずれも昨年に比較すれば好成績である。配給状況は年度頭初の政府計画には及ばないが昨年九月閣議決定をみた「本年度下半期綜合家庭燃料確保対策」によつて改訂された下半期における薪炭の配給計画は、三月末日までに輸送事情に特別の変化のない限り概ね完遂し得るものと思われる。現在特に木炭の入荷が不振であるのは依然として貨車事情の隘路にあり、岩手県の如きは、現在滞貨量は昨年末に比し増加している状況である。

二、物価、賃金、生産、配給などの諸条件が、当初政府において予想していたところと、相当にことなつたために、賃金と、生計費との関係が予想とことなつた形になつたことは事実である。
 たとえば九月中旬における水害は食糧品の供給量をいちじるしく減少せしめ、やみ価格もそれにつれて高くなつたこと、賃金の水準も七月以降漸次上昇してきたこと、などが主要な点である。

三、生産コストを切りさげる最重要の要件は、生産能率の向上である。企業経営の合理化がこのために必要なことはいうまでもないが、さらに、原材料の補給を増加し、生産施設の補修を行う必要がある。これらすべての要件を順調に実施するためにも、物価の安定が基本的な重要性をもつものと考える。

四、今回の行政整理は企業関係以外において原則として予算定員の二割五分減ずるのであつて、現下の諸般の情勢から勘案すれば相当思い切つた措置であり、必ずしも小規模の整理とするは当らない。唯行政整理は、減員のみではなく、行政機構の改革を伴わなければならぬが、これについては短時日に、大規模な改革案を決定するのはむづかしいので、別途内閣に臨時行政機構改革審議会を設置し、慎重審議の上成案を得べく期している次第である。

五、臨時行政機構改革審議会は、近日中に発足の上、根本的な行政機構改革について審議する予定であるが、右審議会は内閣総理大臣に対し、本年三月末日迄に行政機構改革に関して中間報告を行い、更に本年六月末日までに最終報告を行うことに予定されている。