質問主意書

第2回国会(常会)

質問主意書


質問第百六号

農道の改良新設に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年五月四日

藤野 繁雄      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   農道の改良新設に関する質問主意書

一、食糧増産は日本農業当面の重要課題であつて、これがための施策を重点的に推進すべきことの必要は敢て縷言を要しない。勿論、現在増産に関して諸般の施策が行われているのであるが、特に国家財政等の関係よりして当面先ず最も効果的な方面に重点を指向すべきである。

二、右の見地より、寧ろ開墾事業に優先して土地改良、農業水利、農業土木等の事業を強力に実施し、耕地条件の改善整備を図ることにより現在の耕地面積の範囲内において更に生産力を高める方策を講ずることが捷径であるを確信する。

三、而してこれらの事業中最も財政的負担少くして効果多きものは農道の改良拡充である。このことたるや、別に多大の資材を要せず、又農家の労働力を殆んどそのまま活用できる利点がある。しかもこれにより肥料、収穫物の運搬その他作業能率の向上は当然結果されるので、直接間接増産に寄与する所は極めて大なるを期待できるのである。

四、今日土地改良等については多少予算措置を伴い、国家の事業として実行されているが、農道の整備に関してはその施策甚だ不十分なるを遺憾とする。私は政府において農道の改良事業を早急に且つ積極的に採上げられんことを強く要望するものである。

五、そこで次の諸点につき政府の責任ある答弁を承りたい。
(一) 全国における改良を要すると認められる農道の里程
(二) 全国における新設を要すると認められる農道の里程
(三) 農道の改良及び新設に関し従来政府において実施した計画、実績、及び経費予算並に実績が計画に対して相異した場合はその理由(各年度別)
(四) 農道の改良及び新設に関し今後政府において実施する要ありと認められる里程、所要経費(現行価格を以て)及び主要資材所要量
(五) 右の中差当り昭和二十三年度において実施せんとする事業計画及び経費予算