質問主意書

第2回国会(常会)

質問主意書


質問第五十五号

戦時公債利子に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十三年四月八日

北條 秀一      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   戦時公債利子に関する質問主意書

一、戦時公債利子の支払停止乃至利率引下げは出来ないと片山内閣は私の質問に対して答弁した。然るに近時この問題を検討するために政府は、官民各界の代表的人物を集めて懇談会を開いているとのことである。その懇談会列席の人達は、この問題に最も直接利害関係のある金融機関と、直接利害関係を持たない財政理論家及び労働団体代表者の如くである。然るに、この問題に直接の利害関係を持つ数百万の引揚者があることは、さきの私の質問書によつて明らかなところである。従つて政府はこの問題を検討するに当つては常に引揚者の存在を忘れないようにすべきであり、現在行われている懇談会又は将来行わるかも知れない審議には引揚者の代表を参加せしむべきである。又今後戦争犠牲に関する問題の審議には常に引揚者代表を加うべきである。政府は直ちにこのことについて善処する考えはないか。

二、戦時公債利払停止問題は現下の諸情勢よりして早急に解決することが望ましい。これについて次の処置をとることが適切であると考えるが、政府の所見を伺いたい。
(イ) 戦時公債の利子は、戦争犠牲均分化の方針に基づいて処理すべきである。
(ロ) 戦時公債の利子の支払は継続するが、支払利子の総額を前項の根本方針に則り、戦争犠牲負担の過重なる者(引揚者等を中心として)の更生事業資金として融資せしめる。
 融資条件は復興金融に準じ、夫々の銀行に於て貸出しを実施せしめるが、この貸出実施については政府は適切なる監察を行う。