質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第百十九号)昭和二十二年十一月二十五日配付

内閣参甲第一三四号
  昭和二十二年十一月二十一日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出保健所費用支出等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出保健所費用支出等に関する質問に対する答弁書

一、保健所が理想通り運営されない一つの原因が国庫の支出が少い点にあることは全く同感である。
 これは従来衛生行政特に保健所費の如く健康を積極的に向上するに必要な経費の支出は可なり困難であつた事情によるものであるが、今後は文化国家建設の上からいつても、かような経費が相当重要であると考えられるので本年度追加予算には従来の倍額程度を支出するように国会に所要予算を提出中である。なお今後もこの予算の増額には努力する心算である。現在保健所は医師一、二一一名、保健婦三、二一五名の定員であるが六月現在の医師及び保健婦の就職数は医師八八二名、保健婦二、五一九名である。

二、直轄薬学専門学校の戦災は二校で昭和二十一、二十二両年度においてそれぞれ公共事業として建物復旧工事を実施中である。なお昭和二十三年度においても残り工事につき予算要求中である。(別表一対照のこと)
 私立薬学専門学校の戦災は七校であるがうち帝國女子医学、薬学、理学専門学校、東京女子薬学専門学校及び昭和女子薬学専門学校に対しては私立振興協議会の議を経て昭和二十一、二十二両年度において低利長期償還の政府貸付金を貸付し建物復旧を助策している。爾余の四校は被害比較的軽微のため私学振興協議会の議において貸付の対象とならなかつたものである。なお昭和二十三年度分としても相当予算を要求中である。(別表二対照のこと)

別表一

別表二

三、鍼灸按摩柔道整復等の取扱に関しては人体の健康に密接な関連があるので慎重に考究いたしました結果一応成案を得ましたので関係方面の諒解を得た上法律案として今国会に提出する予定でありまして、盲者についても制度上の区別を設けず能力ある者については将来も鍼灸術をなさしめる考であります。