質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第百六号)昭和二十二年十一月六日配付

内閣参甲第一二〇号
  昭和二十二年十一月四日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員池田恒雄君提出麦類生産計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員池田恒雄君提出麦類生産計画に関する質問に対する答弁書

 昭和二十三年麦類生産計画は目下御審議を願つている「臨時農業生産調整法案」の主旨に則つて行政的措置として既に各地方別の作付面積の計画を定め割当を行つているが、生産数量及び供出数量については、同法に基く中央農業調整委員会の議を経て之を定める予定であつて未だ成案を得てない。御質問第二の(1)の地方別作付計画は、別紙(第一表)の通りであつて、右の作付計画は各県と充分打合せて割当を行つたのであるが種子の準備の関係その他で実際には多少これより減少することもあると考えている。
 この作付計画において大麦、小麦、裸麦等の種類別(質問第二の(2))は適地適作によるためにその選択は、地方毎に一任している。但しビール麦については別紙(第二表)の如く定めた。普通畑、桑園又は果樹園の間作、水田の裏作等の農地の利用(質問第二の(3))は、農家の作付計画に適合する様一任されている。実際には桑園、果樹園等の間作は減少する見込である。なお、御質問第二の(3)末項に関する開拓地の作付計画は別紙の如く四万余町歩である。
 麦類との競合作物(主として桑、蔬菜類)及び立地条件に関する調整(質問第二の(4)及び(5))は、特に都市近郊地帯の蔬菜特定地を考慮する外具体的には各府県の有する作付計画との個別的調整を図つている。
 御質問の如く米麦等主穀生産者の経営及び技術についてはその祖国再建のために荷うべき負担の大なるに顧みて特段の考慮が必要であるから政府としても各方面よりする対策を以て農家経営の合理化、農業生産力の確保に努めている所であるが御質問第二の(6)による割当の場合の直接的指導は、行つておらないので今後は市町村農業調整委員会を通じての組織的活動を期待したい。
 次に御質問第三の(1)は、配給方法の改正に伴う肥料購入通帳の記入が遅れた市町村において農家の入手が遅れている事実がある。更に配給計画は、予め中央地方の各段階毎に夫々割当内容を公示することになつているから御了承願いたい。
 次に作付に際しての相場の目論見は、パリテイ計算の立前から現状においては予測することは困難である。

第一表

        昭和二十三年産麦類作付割当面積(二二、一〇、三一)
既 耕 地開 墾 地計      
北  海  道六五、五〇〇五、九〇四七一、四〇四
青     森八、五〇〇五七七九、〇七七
岩     手二六、五〇〇四九七二六、九九七
宮     城二三、五〇〇六四四二四、一四四
秋     田一、八〇〇一七五一、九七五
山     形五、五〇〇二五七五、七五七
福     島三三、〇〇〇一、六二五三四、六一五
茨     城七七、〇〇〇一、一八〇七八、一八〇
栃     木五六、四〇〇五〇八五六、九〇八
群     馬(五四、五〇〇)(二、八九九)(五七、三九九)
埼     玉六五、〇〇〇三五〇六五、三五〇
千     葉五五、〇〇〇二、一四一五七、一四一
東     京一三、二〇〇三〇〇一三、五〇〇
神  奈  川二六、〇〇〇三四九二六、三四九
新     潟一一、〇〇〇三五〇一一、三五〇
富     山七、〇〇〇五〇七、〇五〇
石     川六、六〇〇九七六、六九七
福     井六、五五六六五六、六二一
山     梨二一、〇〇〇四〇〇二一、四〇〇
長     野四一、〇〇〇六六七四一、六六七
岐     阜三〇、五〇〇九九九三一、四九九
静     岡四三、〇〇〇七九四四三、七九四
愛     知六〇、六〇〇九四八六一、五四八
三     重三三、〇〇〇七三三三、〇七三
滋     賀一七、八三五一六五一八、〇〇〇
京     都一五、五〇〇四二〇一五、九二〇
大     阪一四、三〇〇六八一四、三六八
兵     庫五四、〇〇〇一、〇〇〇五五、〇〇〇
奈     良一七、五〇〇八四一七、五八四
和  歌  山一八、〇〇〇一九一一八、一九一
鳥     取一〇、八〇〇四一九一一、二一九
島     根一三、〇〇〇一、〇七三一四、〇七三
岡     山五六、〇〇〇四、〇二五六〇、〇二五
広     島四一、〇〇〇八九六四一、八九六
山     口三九、五〇〇五三九四〇、〇三九
徳     島二七、三五〇八九四二八、二四四
香     川三五、〇〇〇一、三八一三六、三八一
愛     媛四一、〇〇〇四四一四一、四四一
高     知一四、〇〇〇二七〇一四、二七〇
福     岡七一、〇〇〇二、八八六七三、八八六
佐     賀三三、〇〇〇五二三三三、五二三
長     崎三五、〇〇〇九二〇三五、九二〇
熊     本七六、五〇〇九〇〇七七、四〇〇
大     分四二、〇〇〇二九三四二、二九三
宮     崎三五、〇〇〇二、四九八三七、四九八
鹿  児  島六八、〇〇〇二、〇〇〇七〇、〇〇〇
合     計一、五四六、九四一四三、七二七一、五九〇、六六八
  備考 括弧内は未決定のものである。

第二表
        昭和二十三年産ビール用大麦作付割当面積
面   積備            考
  
北  海  道一、〇〇〇 
宮     城五〇 
茨     城三、〇〇〇 
栃     木五、〇〇〇 
埼     玉一、〇〇〇 
千     葉一、七〇〇 
東     京四〇〇 
神  奈  川一、二〇〇 
山     梨二〇〇 
長     野一五〇 
岐     阜一、〇〇〇 
静     岡三〇〇 
愛     知一〇〇 
三     重三五〇 
滋     賀二、三〇〇 
京     都一、〇〇〇 
大     阪一〇〇 
和  歌  山一三〇 
鳥     取九五〇 
島     根二四〇 
岡     山五〇 
広     島五〇 
山     口一、〇〇〇 
福     岡二五〇 
佐     賀五〇 
長     崎五〇 
宮     崎五〇 
鹿  児  島九〇〇 
 計二二、五七〇 
備 考 ビール用大麦の面積は第一表の面積中に含まれている。